噴火履歴

噴火活動史

 今回の事業で行った地質調査をはじめとする様々な調査によって、これまであまりわかっていなかった雌阿寒岳の噴火活動の歴史のうち、約12,000年前から現在までの噴火活動が初めて詳細に明らかにされました。

12000年前

中マチネシリ山頂で大規模な噴火が起こり、北麓への溶岩流の流出、“中マチネシリ降下軽石スコリア”の噴出を挟みながら断続的に四方へ火砕流が流出しました。 この噴火で、現在“外輪山”と呼んでいる第一火口が形成されました。

9000年前

第一火口南西壁が崩壊して螺湾川に泥流・土石流が流下するとともに、第二火口から南西に火砕流が螺湾川にそって流れだしました。 降下火砕物も噴出しましたが、詳細はわかっていません。

6000年前

第二火口南部に溶岩ドームが形成されるとともに、西方の茂足寄川に火砕流が流下しました。 続いて、爆裂によって火口西壁も崩壊し、茂足寄川に泥流が流下しました。

4000~5000年前(a)

この期間は、まだ詳しいことがわかっていませんが、

  • 西山溶岩の噴出(西山の形成)
  • ポンマチネシリでは旧山体の崩壊による泥流・土石流の流下(現在の雌阿寒温泉やオンネトー方向に流下)
  • 中マチネシリ火口内で水蒸気爆発が起き、茂足寄川・白水川・ウグイ川・チップ川を泥流・土石流が流下

などがあったと考えられています。

4000~5000年前(b)

この期間は、まだ詳しいことがわかっていませんが、

  • 西山溶岩の噴出(西山の形成)
  • ポンマチネシリでは旧山体の崩壊による泥流・土石流の流下(現在の雌阿寒温泉やオンネトー方向に流下)
  • 中マチネシリ火口内で水蒸気爆発が起き、茂足寄川・白水川・ウグイ川・チップ川を泥流・土石流が流下
  • ポンマチネシリ上部溶岩が噴出し、ポンマチネシリ山体が形成
  • 北山溶岩の噴出

などがあったと考えられています。

2000~3000年前

ポンマチネシリからの降下火砕物が北~東方に降下し、ウグイ川・白水川などで泥流・土石流の流下がありました。

1000~2500年前

阿寒富士が活動し、降下スコリアと阿寒富士溶岩を噴出して、現在の阿寒富士山体を形成しました。

現在~1000年前

水蒸気爆発が繰り返し起こり、降下火砕物が降下し、泥流や土石流が発生しました。この間にポンマチネシリ旧火口や赤沼火口が形成されました。

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