防災

雌阿寒岳の防災

 雌阿寒岳では、1955年にポンマチネシリで発生した小規模噴火が有史以降初めての噴火でした。その後、1988年(昭和63年)、1996年(平成8年)、1998年(平成10年)と頻繁にポンマチネシリで降灰を伴う小規模な噴火を起こしています。また、2006年(平成18年)3月には、ポンマチネシリ北西斜面で噴火が起こり、小規模な泥流が発生しました。さらに、2008年11月には2度にわたり、ポンマチネシリで降灰を伴ったごく小規模な噴火が発生しています。  私たちは、幸いいまのところまだ雌阿寒岳で大きな噴火を経験していません。しかし、雌阿寒岳の過去の活動履歴を12,000年前から調べた結果、広範囲の降灰とともに破壊的な火砕流、泥流、溶岩流などがしばしば山麓を襲ったことが明らかとなってきました。私たちは、このような火山噴火をも視野に入れて、いざというときのための備えをする必要があります。

2006年(平成18年)噴火直後の写真
2008年(平成20年)11月18日噴火後の写真
2008年(平成20年)11月28日噴火後の写真

雌阿寒岳火山噴火警戒避難対策事業では、火山災害に対して住民の警戒避難体制を支援するため、火山活動や土砂流出の監視や情報伝達のための施設の整備をはかるとともに、情報の利活用などのソフト対策の整備を行っています。

火山防災情報

気象庁は、生命への危険が想定される噴火現象が

  • 発生する恐れがある場合(火山活動が高まった場合)
  • 発生した場合
  • 噴火規模の拡大が予想される場合

「警戒が必要な範囲」を示して噴火警報を発表します。

※雌阿寒岳は平成20年12月より噴火警戒レベルの運用が開始されており、火山活動の状況に応じた「警戒が必要な範囲」と「とるべき防災行動」が5段階に区分され発表されます。

詳しくは気象庁ホームページでご確認ください。


 雌阿寒岳で今後予想される噴火位置と土砂移動現象を、これまでの噴火実績から想定しました。また、噴火の規模もこれまでの長期的な噴火の傾向から想定をおこない、現実的に起こりやすい『小規模噴火』から、万一に備えた場合の『大規模噴火』までを考慮しました。これらの想定にもとづいて数値シミュレーションを行い、火砕流や火山泥流の被害が及ぶ範囲を予測しました。

雌阿寒岳の今後の活動

 雌阿寒岳で今後予想される噴火位置と土砂移動現象を、これまでの噴火実績から想定しました。また、噴火の規模もこれまでの長期的な噴火の傾向から想定をおこない、現実的に起こりやすい『小規模噴火』から、万一に備えた場合の『大規模噴火』までを考慮しました。これらの想定にもとづいて数値シミュレーションを行い、火砕流や火山泥流の被害が及ぶ範囲を予測しました。





ハザードマップ

 今後予想される噴火についてその規模と火口を想定し、地形解析や数値シミュレーションなどをおこなって、『火山災害予想区域図』を作成しました。この火山災害予想区域図には、噴火規模や想定火口位置ごとに火砕流や泥流などの被害が及ぶ範囲を示したものなど各種の予測図を作成しました。

監視体制

 現在雌阿寒岳では、気象庁が山麓の雌阿寒温泉やオンネトー、ポンマチネシリの山腹などに7点の地震計と2点の空振計を、また山を取り囲むように4点のGPSを設置し、常時観測を行っている(平成27年3月現在)ほか、北海道大学でも地震計・空振計などを設置しています。
 これらにより雌阿寒岳の火山活動の監視が行われていますが、噴火が発生した場合には、火砕流や泥流などによって、広範囲に災害が発生する可能性があります。土砂災害から人命を守るためには、火砕流や泥流が発生し流下する状況を監視・観測し、その状況に応じた対策を実施しなければなりません。そうした火砕流や泥流、あるいは大雨による土石流の流下や雨量等を監視し、住民の警戒・避難体制に役立つ情報を提供するため、本事業(砂防事業)では、監視カメラや泥流監視機器、気象観測機器などの整備を進めています(雌阿寒岳火山災害監視システム)。これらの情報は国との連携によって関係機関に伝達されています。

火山災害監視システムによる観測局の配置(計画)

火山災害監視システムによる観測局の配置(計画)

上徹別・気象台カメラ局
飽別気象観測局
阿寒湖畔カメラ局

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